なぜ必要?子どもの成長に欠かせないビタミンD
2026/7/16
子どもたちの健やかな成長に、ビタミンDは絶対に欠かせない栄養素です。特に体が大きくなる成長期の子どもにとって、その役割は大人以上に重要になります。
なぜそこまで必要なのか、主な理由を3つに分けてわかりやすくまとめました。
理由1骨や歯の成長を支え、トラブルを防ぐ
ビタミンDの最も大切な役割は、小腸でのカルシウムやリンの吸収を劇的に高めることです。乳幼児期にまっすぐで強い骨を育てるためには、カルシウムと一緒にビタミンDを満たしてあげることが不可欠です。
もし乳幼児期にビタミンDが著しく不足すると、カルシウムが体内にうまく取り込めなくなってしまいます。
その結果、血液中のカルシウムが足りなくなる「低カルシウム血症」(ひどい時には手足の痙攣を引き起こすことも)や、骨が柔らかくなって変形してしまう「ビタミンD欠乏性くる病」(O脚や歩き始めの遅れの原因)のリスクを高めることにつながります。
理由2免疫システムを助け、感染症を予防する
乳幼児期は、免疫力が未熟で、風邪やさまざまな感染症にかかりやすい状態です。ビタミンDは、体内に侵入してきたウイルスや細菌と戦う「免疫システム」のスイッチを正しく入れる手助けをします。体内にしっかり満たされていることで、感染症にかかりにくく、もし風邪を引いてしまっても重症化しにくい強い体をつくります。
理由3炎症を抑え、アレルギー症状を和らげる
近年の研究で特に注目されているのが、ビタミンDの「炎症を抑える働き」です。乳幼児期はアトピー性皮膚炎や食物アレルギーなど、アレルギー症状に悩まされる子も少なくありません。ビタミンDが体内の過剰な炎症反応をなだめることで、こうしたアレルギー症状の発症や悪化を抑える効果が期待されています。
▼乳幼児期に「ビタミンD」が不足しやすい3つの理由
これほど多くの重要な働きがある一方で、現代の日本の乳幼児の多くがビタミンD不足に陥っていることが、日本小児科学会などでも問題視されています。主な原因として、以下の3つが挙げられます。
母乳は赤ちゃんにとって最高の栄養ですが、唯一ビタミンDだけは含まれる量が少なめです。生後間もない時期から完全母乳で育つ赤ちゃんは、意識して補給しないと不足しやすくなります。
【補足】 厚生労働省や小児科学会では、母乳育児の良さを活かしつつ、生後まもなくからビタミンDのサプリメント(シロップ)の活用や、離乳食での積極的な摂取を推奨しています。また、育児用ミルクにはビタミンDがしっかり強化されているため、混合栄養やミルク育児の場合は不足のリスクが低くなります。
ビタミンDは日光(紫外線)を浴びることで肌でも作られます。しかし、近年は熱中症対策や、過度な日焼け止め・UVカットグッズの使用、室内中心の生活が増えたことにより、太陽からビタミンDを作る機会が激減しています。
身近な食材の中で、鶏卵(特に卵黄)は非常に優秀なビタミンD供給源です。アレルギーのために卵を完全に除去している子どもは、他の食材(魚など)を上手に組み合わせないと、ビタミンD不足になるリスクが高まってしまいます。
次のコラムでは、上手にビタミンDを摂るコツをご紹介します。

