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コラム

「カルシウム」が必要な本当の理由

2026/6/11

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、1日あたりのカルシウム推奨量を1~2歳で400~450mg、3~5歳で550~600mgと定めています。しかし、令和6年国民健康・栄養調査の結果によると、実際の幼児の平均摂取量は404mg。推奨量には届いておらず、日常的に不足しているのが現状です。

では、なぜ幼児期にそれほどカルシウムが必要なのでしょうか。理由は主に3つあります。

理由1いま、まさに骨が「伸びる」「太くなる」「硬くなる」真っ最中だから!

カルシウムの最大の役割は、体の土台となる「骨や歯の材料」になることです。未就学児の時期は、骨がハイスピードで成長しており、その中では3つの異なる成長が同時に起きています。

伸びる(縦の成長)

「骨端線(こったんせん)」と呼ばれる柔らかい軟骨の帯が新しく作られ、そこにカルシウムが定着して硬い骨に置き換わることで身長が伸びます。大人になるとこの骨端線は閉じてしまうため、幼児期の栄養が非常に重要です。

太くなる(横の成長)

骨の外側(骨膜)に新しい骨が継ぎ足され、大きくなる体の重さを支えるための「太さ」を作ります。

固くなる(密度の成長)

建物に例えると、コラーゲンが「鉄筋」で、カルシウムが「コンクリート」です。鉄筋の網目(コラーゲン)にカルシウムがぎゅっと詰まることで骨の密度が高まり、衝撃に耐えられる強い骨へと仕上がります。

また、あごの骨の中では「28本の永久歯」が作られている大事な時期でもあり、この時期のカルシウム不足は、将来の骨や歯が弱くなる原因になります。

骨の成長における3つの要素とカルシウム

理由220歳で満タンになる「骨の貯金」、今しか貯められない!

先ほどの「硬さ(密度)」が骨の“強さの質”だとすれば、「骨量(こつりょう)」は骨全体の“ボリューム・貯蓄量”のことです。
建物のサイズが大きくなれば、その分、中に詰め込むコンクリート(カルシウム)の総量も増やさなければなりません。この骨全体の総重量を「骨量」と呼びます。
人間の骨量は20歳前後に人生のピーク(最大骨量)を迎えたあと、40代以降は年齢とともに減っていく一方になります。つまり、子どもの時期は「一生モノの骨の総量を増やせる(貯金できる)」唯一のチャンス(=骨の貯金期)なのです。
米国の研究(NIH等)でも、「子どもの頃に最大骨量を10%高めることができれば、将来の骨粗鬆症の発症を約13年遅らせることができる」と報告されています。今この瞬間の食生活が、50代、60代になったときの健康な体を支える一生の財産(貯金額)になるのです。

理由3足りなくなると、わずか1%の血液のために「骨が削られる」

体内にあるカルシウムの99%は骨や歯にありますが、残りのわずか1%は血液や筋肉の中に常に蓄えられています。この1%が、心臓を規則正しく動かしたり、神経のバランスを整えて脳の指令を正しく伝えたりする、命の維持に直結する働きをしています。
もし、偏食や体調不良などで血液中のカルシウム濃度が「0.1%」でも低下しそうになると、体は即座に骨を溶かし、血液中にカルシウムを補給してしまいます。
つまり、食事からの摂取が足りない日が続くと、せっかく作った大切な骨が、毎日少しずつ削られていってしまうのです。

カルシウムは、一生の体を支える重要な栄養素です。次のコラムでは、給食の献立にカルシウムを上手に取り入れるコツをご紹介します。



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