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コラム

雛あられ 古今東西

2021/2/16

国土面積の狭い日本のなかでも、地方色豊かな行事食が多く見受けられます。
雛あられもその一つです。

今回は大きく分けて、関東と関西を比較してみます。

まずは関東ですが、原料は米です。
米を爆(は)ぜて作ったポン菓子を砂糖で味付けしたものです。米と色素と砂糖ですので、白っぽくやわらかな色調に仕上がります。

関西はお餅です。
本来は菱餅を砕いて、炒ったのが始まりと言われています。いわゆる「あられ」です。
形も丸く、味付けも醤油や青のりやエビを使用することが多いので関東のそれと比べるとやや茶色で、くすんだ色合いです。

色合いは異なりますが、基本色はひし餅と同じ「桃、白、緑」の3色です。桃色は「桃の花」、白は「雪」、緑は「新芽が広がる大地」を表し、「雪から新芽が出て花が咲く景色」を象徴しているのです。さらに桃色は「魔除け」、白色は「清浄」、緑色は「健康」を表しています。

材料・形・味は異なりますが、ひなあられには「娘の健やかな成長を祈る」という意味が込められていることは、古今東西同じです。
技術や流通が発達し、いつでも・どこでも・なんでも購入できますが、お雑煮やお彼岸の団子など地域性の高い行事食や食材を大事にし、子供たちに伝承していきたいですね。


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