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コラム

歯列と噛むこと

2020/07/28

噛むためには、歯を大切に育てていくことが重要です。
幼児期は乳歯から永久歯に生え変わる時期です。そこで歯並びについて考えたいと思います。
歯科医の先生のコラムを読むと乳歯の時期の食事が大切と報告がありました。

それはどういったことなのでしょう?
確かに最近の保育園では大人のように生えそろった乳歯のこどもが多くなりました。
乳歯が抜けて永久歯が生える。当たり前のことですが、乳歯は20本永久歯は28本(親知らずを抜いて)で永久歯の入るスペースを確保するために、あごの発達が極めて重要なことがわかります。
逆に歯の間に隙間のある「すきっ歯」の子どもにはなかなか出会えなくなりました。歯と歯の隙間があればそのスペースに大きな永久歯が入ります。乳歯の時期に隙間の無い状態では、永久歯の入るスペースが不足しガタガタの歯並びになってしまいます。
乳歯には隙間が必要であるということですね。
そのためにはしっかり噛むことが大切です。噛むことにより顎が発達し、乳歯の間に隙間もできます。

そこで噛むことについて考えてみましょう。
噛むことに重点をおいての食事作りの工夫は沢山あります。
軟らかく煮る時には少し大き目、さっとゆでる時などは長めの千切りや短冊切りなどの工夫ができます。
食材を工夫すると硬いものを噛むことを想像しがちですがそれ以外に噛む練習につながる食材や献立も沢山あります。

食材は以下のようなものがあげられます。

硬いもの ごま、アーモンド、炒り大豆、スライスアーモンド等
繊維が多く噛まないと飲み込めないもの 根菜類、緑黄色野菜、たけのこ、パインアップル等
弾力があり噛み切りにくいもの 竹輪、エリンギ、油揚げ、干ししいたけ
噛まないとまとまらないもの りんご、なし、とうもろこし等
柔らかいが口の中でまとまりにくいもの 高野豆腐

硬いものだけでなく、唾液と混ざることで食塊(食べ物の塊)にして飲み込む必要があるものなどさまざまです。

献立では

小松菜と油揚げの煮びたし だしをしっかり取り、噛むことで旨味を感じ噛むことにつながる
高野豆腐の煮物 しっかり噛んで唾液と絡めて飲み込む
骨付きから揚げ 噛みつくことで前歯を使い噛むスイッチが入っていく
やきししゃも 頭から噛んで食べる。ポン酢などでさっぱりと
果物を大きく切ってかみつく 前歯の噛みちぎりを大切に
バーベキューでキノコを焼いて 繊維をしっかり噛む練習をイベントでも取り入れましょう
海苔巻きご飯 海苔を巻くだけで噛む回数が増えます

上記のように色んなシーンで噛むことは経験できます。

「噛むこと」は生命の維持の根本、食事を取り込むことに直結します。
子ども達が毎日噛むことであごの発達につながり、隙間のある歯列できれいな永久歯を育てられるように日々の食事に目を向けていきたいと思います。

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